身近におきた金銭詐欺


 ある日突然かかってきた電話に、恐怖を感じた。

 それは、知らないところで、金銭絡みの事件の共犯者になっている事。その事実を拒めば、逮捕される。また電話によって知らされた内容を子供や親せきのみならず、友人・知人に漏らした場合、子供・親戚・友人・知人も共犯者になりうるというものだった。


 「連座制」「一蓮托生」とはこうした事を言うのか。「皆に迷惑をかけたくない」、その一点においてA子は呪縛の闇に落ちた。


 A子 81 才。丸まった彼女を抱えるように警察へ。そこで初めて聞いた「劇場型詐欺」。

 

 呪縛の闇は、被害者自身が招く一つの結果。その言葉に「清廉潔白」に生きるA子は、「神

は乗り越えられる試練しか与えない」と、胸元で両手を組んだ。祈りの姿・潔ぎよく、詐

欺を続けるグループにこの姿を知らしめたいと、付き添った私達が心底思った瞬間。

 A子の了解を得て、レターパック送金にかかる金銭被害の一部始終を時系列で示します。

さらに電話によって脅迫・命令・送金へと誘導した人々の名前とメモに残された言葉を示

します。偽名という名の赦されざる名前が胸に刻まれた事は言うまでもありません。


 金銭詐欺被害の一例として、ページをご覧下さった皆様の胸に留めおき頂ければ幸い。




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